My important place【D.Gray-man】
第23章 2/14Valentine
確かに、最近そうして神田と一緒に過ごす時間は増えたけど…確かに、そうして増えた時間を嬉しいと感じはするけど。
仲良しというか今までが淡白なだけであって、今の関係はアレンやラビと変わらない普通のものだと思う。
「でも神田が特定の人とずっと一緒に過ごすなんて、初めてのことだろうし。仲良くなきゃできないことだと思うの」
「そう、かなぁ…」
それはよくわからないけど。
確かに神田に対して特別な思いがないかと言えば…嘘になる。
でもそんなこと、周りに吐露する気はない。
女子会で恋バナみたいに明るく話すような、そういう類の思いとは違う気がするから。
「任務仲間として、日頃の感謝を伝えればいいんじゃない? そういうチョコもあるんでしょ。確か…義理チョコっていうんだっけ」
「まぁ…みたいだね」
「ならいいじゃないっ神田くん、喜ぶんじゃないかしら」
「それはないと思う」
「あら、なんで?」
きょとんと見てくるミランダさんに、思わず苦笑する。
「だって神田、甘いの嫌いだし」
前に一緒にご飯を食べてた時に、そんなこと言ってたっけ。
「ふぅん? 神田って甘いの嫌いなんだ」
なのに何故か、それを聞いたリナリーからにこにこと笑顔を向けられた。
「私、知らなかったな」
「え?」
そうなの?
私より古いつき合いの二人なのに?
「それだけ凪には自分のことを伝えてるってことよね?」
…そうなのかな。
すぐには返事ができなくて言葉を詰まらせれば、満面の笑みでリナリーが手を握ってくる。
「ねっ。だから雪もチョコ選ぼう」
「で、でも…」
「大丈夫だって。やっぱり駄目だと思ったら、自分で食べちゃえばいいんだし」
そういう問題っ?