My important place【D.Gray-man】
第23章 2/14Valentine
「甘いものが苦手ならビター系にすればいいんじゃないかしら」
「それならこれとかどうかな」
渋る私を余所に、楽しそうにショーウィンドウを覗く二人。
駄目だ、これじゃ買うまで自由にさせてもらえない気がする。
「ねぇ雪。折角なんだし」
「そうよ。一年に一度だもの。ね?」
左右から覗き込んでくる二人の笑顔に裏はない。
純粋な好意で誘ってくれている。
そんな思いを、簡単に一蹴はできない訳で。
「…じゃあ」
買っても、あげるかはわからないけど。
とりあえずこの場を乗り切る為に。
「これで」
「……え?」
「…これ?」
目の前のチョコを指差した。