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My important place【D.Gray-man】

第49章 つむぎ星に願いを



 つぷんと、最初はゆっくりと。
 雪の反応を見守るように、中を押し広げ入ってくる。



「ぁ、あ…っ」



 丁寧な挿入だというのに、雪には感じたことのない程の質量と形をしていた。


(おっき、い)


 ひくりと顎が上がる。
 開いた口からはどうしたって嬌声が零れて、視界がちかちかと瞬いた。

 静かに、体を奥底まで暴かれる感覚。
 待ち望んだ刺激に、快楽の波は今までよりも緩やかに迫った。



「っふぅー…」



 進めるところまで無理なく進めたところで、ティキの腰が止まる。


(やべ。すげぇ気持ちいい)


 こつんと軽く触れたのは、快楽を求め下りてきていた雪の子宮口か。
 吸われそうな蜜壺の締め付けに、腰が砕けそうになるのを理性でとどめる。



「っぁ…は…ッ」

「…雪?」



 自然と熱くなる息を整えていれば、雪の異変に気付いた。
 指先は力なくティキのシャツに縋っているが、視線はティキを捉えていない。
 朧気に暗い天井を見上げたまま、小刻みに体を震わせていた。



「(もしかして…)…イった?」



 その反応は見覚えがある。
 リヴァプールで、幾度となく雪を己の手で絶頂へと導いたのだ。
 顔は見えなくても、体の反応は憶えている。



「っぁ…動か、な…で…」



 掠れた声で訴える雪の目が、ようやくティキを捉えた。
 絶頂の余韻を残す瞳の涙に、ティキの喉がこくりと嚥下する。


(やべぇ)


 今すぐにでも抱き潰したくなる衝動をどうにか抑えて、その顔を隠すように胸に押し付けて抱く。



「はぁあ…」

「っティ、キ…?」

「雪も。今は俺の名前、呼ばないで」

「え…?」

「理性失くしそう」



 熱い吐息を零し、ぐっと唇を噛む。

 ここにはいないが、確かにいる。

 曖昧な境界線を辿るように、ティキは目の前の体を抱きしめた。


 ──ゴポポポッ


 その時、カーテンを閉め切った窓の外から、激しい水と気泡の交わる音が届いた。

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