My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
「もう? 何?」
「ッ…」
無意識にティキを求めていた。
縋り付いた手は目の前のシャツを握り締めたまま、離せない。
ただそれ以上先は口に出来なくて、熱い吐息を零す。
「ッん、ぁ」
雪の変化を見透かすかのように、再び見えない愛撫が襲う。
堪らずティキの胸に顔を押し付けた。
「ティ、キ」
「うん」
「ティキ…ッ」
「雪」
呼べば、応えてくれる。
熱を持て余した体に、優しく触れる手。
髪を掻き上げ、項を撫でられ、旋毛に口付けられる。
そんな些細な仕草にも、ひくひくと何かを待ち侘びるように震えた。
「何も言わなくていいから。欲しいものがあるなら、見ればいい」
どこかで、同じようなことを言われた気がする。
ただ一つ、頷いて見せればいい。
それができたら、欲しいものを最奥まであげようと言われた。
「その目で映して、見てごらん」
甘く、優しく、耳元に吹き込まれる。
ティキの低く脳内に響く声に、こくりと唇を濡らす唾液を吞み込んだ。
促されるように、顔が離れる。
潤み濡れた瞳は、ゆっくりと辿るようにティキの顔を見つめた。
視線が交わる。
金色の瞳は、薄暗い空気の中で光っているようにも見える。
目が、離せない。
「良いコ」
泣きボクロを添えた目が、柔く細まる。
ちゅ、と汗ばむ額に口付けを落として、ティキは腰を上げた。
ジーンズのボタンを外す手に、辿るように目をやれば、そこは既に大きく膨らんでいた。
涼しい顔をしていながら、強く主張してくるティキの雄を垣間見て喉がごくりと鳴る。
衣服から顔を出したそれは、既に硬くいきり勃っていた。
同じく身に付けていたズボンを下着ごとずらされ、愛液が糸を引く様に雪は尚の事赤面した。
「触らなくてもわかるな。雪のここ、もう熱い」
「…あ…」
「ほらね」
剥き出しの亀頭が、待ち望んだところに当てられる。
入口に当てられただけで、くちゅりと卑猥な音が立つ。
先程まで虐めのように責め立てていた愛撫の波は、消えていた。