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My important place【D.Gray-man】

第46章 泡沫トロイメライ



「ひーッお腹痛い…ッ」

「いい加減笑うのを止めなさい!叩くわよ!」

「ご、ごめんて…クロエ文才あるね…ッこれ面白い…っ」

「笑う為の本じゃないのよそれは!萌える為の本なの!」

「う、うん。萌えるクソ萌え…ッ」

「だっから…ッ笑い耐えながら言うんじゃないわよ!」



だって、ほんと、ごめん。
凄く面白くって。
あまりに文才があるから、文字を読んでるだけでも二人の姿が想像できる。
だからこそ笑いが止まらない。

クロエに見せて貰ったユウとアレンのチョメチョメ本に顔を突っ伏して悶える。
悶え震える。
何これ超面白い。

これあれ?喧嘩ップル?
ユウとアレンじゃ喧嘩ップルになるのかな。
じゃあラビ神ならどうなるんだろう。
興味が湧いて仕方ない。



「ラビ神の薄い本はないの?言い値で買うから下さい。あ、この神アレ本も下さい」

「は、はぁ?何言ってんのっ?」

「まぁ!良かったわねクロエ。貴女の本に読者さんが付いてくれて」

「ぅ…嬉しくないわよっなんでよりによってこの女なんかに…!」

「え、じゃあくれないの?お金出すけど…」

「っ毎度ありがとうございます!」

「わーい♪」



財布を出しながら肩を下げれば、ぐっと下唇を噛んだクロエが薄い本を差し出してくる。
腹痛でもきてるんじゃなかろうかっていう、物凄い形相で。
物凄い形相だけど行動も潔い。
色々と葛藤してるんだろうなぁでもノリも良いな。
ユウが発端で知り合わなかったら、仲良くなれてた気がする。



「なんなんですの…わたくしは何を見せられているんですの?頭痛くなってきましたわ…」

「あれ、まだいたのテワク」

「なっ…!」

「あんたに用事はないって言ったでしょ。さっさとどっか消えなさいよ」

「っっ…!」



クロエから購入した薄い本を物色していれば、少し離れた所から盛大に疲れた様子の溜息が届いた。
見れば、本当に心底疲れた顔をしたテワクの姿が。
そういえば、途中からテワクの存在すっかり忘れてた。
思わず本音を呟けば、賛同するようにシッシッとクロエが片手を払う。
途端、テワクの顔が真っ赤に染まった。

あ。

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