My important place【D.Gray-man】
第46章 泡沫トロイメライ
だから譲る気はないんだ、ごめんね。
「な…何よ、彼女面なんかしちゃって…偉そうに…!」
偉そうにしてる気はないけど…まぁ…うん、一応…か、彼女、だからネ………申し訳ない。
「なんであんたなのよ…なんでこんな女なの…!」
クロエの体が僅かに震え出す。
整った顔をくしゃりと崩して、今にも泣き出しそうな語尾を震わす声。
堪らず溢れ出している感情の起伏。
それだけ、そんなにユウのことが好きだったんだ…。
私も同じ想いを持ってるから、行き場がないのは…きっと辛い。
「神田様は、人としての志もエクソシストとしての気質も高い人なのよ…!あんたなんか釣り合わないんだから!」
「クロエ…」
うん…確かに私には勿体無い人かもね。
口は悪いけど、きっとクロエもユウの良さを沢山見ていてくれた子なんだ。
暴君さが目立つユウを、外見だけじゃなくきっと中身でも惹かれてくれた子。
…良い子だな。
「神田様に釣り合うのはアレン・ウォーカーだけなんだからッッ!!!!!」
そうそう、アレンとか───…アレン?
「神田様と同じエクソシストで実力があって、それでも贔屓なく一般人のあたし達とも接してくれて…っ」
ま、待て待て。
「優しくて、可愛くて、見た目なんか天使みたいでしょ!」
わかるけど待て待て。
「絶対並んだら画になるのよ!あんたとは大違い!」
待て待て待て!
「ぁ、あの…一つ、質問が」
「何よ」
「ユウとアレンが…なんて?釣り合う?仲間として?」
「はぁ?何言ってんの」
思わず挙手して不穏な空気を問えば、クロエは冷たい目で私を一蹴した。
「恋愛対象としてに決まってんでしょ」
「…わお」
そっちか。