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My important place【D.Gray-man】

第46章 泡沫トロイメライ



「嫌な気にさせてしまったならごめんなさい。クロエはまだ会員になりたてで、ファンクラブのルールを呑み込めてなくて」

「あ、あたしはファンクラブに入った気はないんだから!ファン限定のブロマイドを購入する為に仕方なく…!」

「ブロマイド?」

「ええ。僭越ながら、クラブ内で神田さんのグッズを販売していまして。ああいう御方だから、許可は頂けていないけれど」



ユウの許可なく写真販売って…それ、アウトなんじゃ…



「その代わり、ファン限定商品として外部には漏れないよう徹底してますから。許して頂けますか?」

「許可します」



ま、いっか。
女神様なら安心できるし。
ユウも日頃から周り怖がらせてるんだから、こういう所で世の為人の為になればいい。



「何本人がいない所で勝手に宣ってますの…犯罪ですわよ」



だから外野の美少女は黙ってて。
今は私と女神様の時間なんです。



「ありがとうございます。やはり神田さんの恋人となる御方ですね。お気持ちとして、本当はファン限定ですがよろしければ、どうですか?グッズ」

「え、頂けるんですか?是非に」

「なんで彼女なのに欲しがってんのよ…あんた本当に神田様と付き合ってんの?」

「だってユウの写真なんて持ってないし。ブロマイドとなれば写真写りも良…あ、これこの間のハロウィン仮装!」

「ふふ。綺麗に撮れてるでしょう?」

「これ下さい」

「何枚要ります?」

「観賞用と保存用で二枚」



サッと懐からイザベラが取り出して見せてくれたアルバムを吟味すれば、どれも素晴らしく出来が良い。
あの吸血鬼衣装のユウの姿を保存できるなんて、流石女神様。
よく真正面から撮ってるのにユウにバレなかったな…あの洞察力の鋭い鬼に。
流石女神様。



「…あ」



頂いたブロマイドをほくほくしながら見ていたら、偶々アルバムのとある一枚で目が止まった。
普通に食堂で蕎麦を食べてるユウの姿だったけど、一瞬で惹き付けられた。
だって、その顔が微かだけれど笑っていたから。
斜めに写されている顔に、目線は蕎麦に向いたまま。
でも薄らと口元が緩やかな弧を描いている。
よくよく見ないと気付けない程、些細なもの。
でもいつも仏頂面を間近で見てきたからわかる、些細だけれど大きなユウの変化だ。

珍しいな…。

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