• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第45章 10/31Halloween(番外編)



「惚気なら余所でやれって」

「そう言うな、ラビ。神田も珍しく楽しんでいたんだ」

「へ?そうなん?」

「マリ!余計なこと言うんじゃねぇよ!」



優しい笑みを称えて庇うマリに、ラビの目が驚きで丸くなる。
元々人間観察を得意とするラビであったが、そんな彼でもわからない些細な神田の変化。
長年仲間として友として付き合ってきたマリの前では、そんな鉄仮面も通用しないらしい。

見破られ噛み付く神田でさえも微笑ましく見返してしまう。
それ程、マリにとっても嬉しいことだったのだ。
冷たい鉄仮面を持つ彼が、誰かと何かを共に楽しめることは。



「ふーん、そうなんだ。よかったな、雪ねーちゃん」

「え?…うん、まぁ…」



神田と雪の関係をティモシーがどこまで知っているのかわからない。
しかし子供独特の無邪気な笑顔を向けられれば、反抗なんてできず。
軽く笑い返す雪を見て、嬉しかったのだろう。
にんまりとティモシーの口元の笑みが深みを増した。



「兎のあんちゃんもな!あんちゃんのおかげでお菓子たっくさん貰えたし!」

「ふふん、だろー?なんせオレは今ハロウィンの王様だしな!」



ティモシーの褒め言葉に、南瓜の頭を抱えたラビがふんぞり返る。
今回一番の人気を博したのは、この南瓜の王様だった。
行く所行く所、子供も大人も精密で不可思議なラビの頭の造りに興味を持ち、凄い、立派だ、と褒め称えたのだ。
お陰で行きは渋々だったラビの機嫌もすっかり逆転。
潔くその場その場で適応できるラビの柔軟性のお陰もあっただろう。



「ホクロのあんちゃんも!あんちゃんが荷物持ちしてくれたからエミリアも助かったし」

「当然のことをしたまでです。一般女性にあんな大量の菓子類を持たせられません」



ティモシーとラビの手に掛かれば、あっという間に貰った菓子で用意していた入れ物は溢れ返った。
保護者の如くついていたエミリアが最初は運んでいたが、見兼ねたリンクがその役を買って出たらしく。
ティモシーが気付いた時には、アレンに負けず劣らず紳士的にエミリアのサポートをしていた。

/ 2637ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp