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My important place【D.Gray-man】

第43章 羊の詩(うた).



 右頭部で一つに縛り上げた特徴的な若葉色の髪型に、にこにこと笑みを浮かべる細い切れ目の青年、トクサ。
 くりくりと愛嬌ある大きな目に、緑青色(ろくしょういろ)の髪の両サイドにマダラオと似た数珠のような髪飾りを身に付けた小柄な少年、キレドリ。
 彼らの中で一番大柄で相撲取りのような体格を持ち、黒い髷に分厚い唇を持つ大男、ゴウシ。

 新たな面子である彼らもまた、半AKUMA化した使徒だと言う。


「唯一残されていたセカンドの肉塊とAKUMAの卵核を融合させ、造り出したAKUMA細胞。それを鴉に移植し北米支部が造り出した半AKUMA種、第三使徒。…別名"サードエクソシスト"として、彼ら五名を役務に就かせて頂きます。これは教皇の御下命ですわ」

「く…ッ残されていたセカンドの肉塊だと…ッそんなものをどこに隠し持っていたんだ、レニー!」


 〝第三使徒〟
 〝サードエクソシスト〟

 第二使徒を造り出した、人造使徒計画を思い起こさせるような名称。
 それらを淡々と口にして説明を続けるレニーに噛み付いたのは、室長席の隣に立っていたバクだった。
 彼はルベリエに呼ばれて教団に訪れたのではなく、自ら赴いて来た身。


「それもこれもルベリエ長官、貴方の仕業だろう…ッ北米支部にいる僕の元部下から連絡があった!」


 バクはいち早く不穏な行動を察し、コムイに伝える為にやって来たのだという。
 ルベリエ達と教団で鉢合わせたのは偶然だった。


「そう声を荒げないで下さい、バク支部長。折角の紅茶が不味くなる」

「何を…ッ」

「落ち着いてバクちゃん」

「しかしコムイ…!」

「もう起きてしまったことだ」

「流石室長。冷静な対応が出来ていらっしゃる」


 薄い笑みを貼り付け褒め称えるルベリエに、しかしコムイは険しい表情を一切崩さなかった。

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