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My important place【D.Gray-man】

第43章 羊の詩(うた).



『なに、簡単なこと。私も貴方と同じ場にいるからですよ。フェイ補佐官一人に私の相手をさせるのは忍びないでしょう。早くお戻りなさい』

「……」


 ということは、ルベリエは既に司令室に赴いているのだろうか。


「…いつ、から(教団に?)」


 近いうちにルベリエが教団に着くであろうことは、わかっていた。
 しかしこれはコムイの予想より遥かに早い。
 それもこのタイミングとは。


『私の到着時刻などどうでも良いことでしょう。それより問題なのは月城雪への対処です』

「それでしたら彼女自身の口からノアのことを聞く為に、改めて場を設けて──」

『必要ありません』


 感情を見せずに淡々と、しかし有無言わさず切り捨てる言葉。
 無線越しでも伝わってくるルベリエ特有の容赦のない冷たい物言いに、コムイはぐっと唇を噛み締めた。


『私が彼女と話します』

「…お言葉ですが、長官。月城雪は現在非常に精神不安定な状態です。今は彼女のことを理解している者が話した方が…」

『理解? 何故、彼女を気遣う必要などあるのでしょう。敵に情けなど』

「まだ彼女を"敵"だと判断した訳ではありません」


 嘲笑うかのようなルベリエの声に、コムイの声にも厳しさが増す。

 確かにノアだと雪自身も認めた。
 となれば教団の"敵"とはなるであろうが、コムイ自身はまだそれを認めていない。

 彼女はあくまで仮の戦犯被疑者だ。
 その扱いだって慎重にしなければならないもの。

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