My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
「雪くんとアレンくんは、ノアとして繋がりがあるかもしれないかと思ってたけど…これでその可能性は消えた」
「……」
「アレンくんの場合が特殊だからね。君とアレンくんのノアとしての立場は、違うみたいだ」
「……」
「…雪くん?」
色んな情報が一気に入ってきて、よく回らない頭を必死に動かす。
待って。
もしアレンの中のノアメモリーが、私に影響を与えたなら…あの時アレンはそれに気付いてた、はず。…多分。
でもコムイ室長やユウの反応を見る限り、それに気付いている人はいなかった。
……アレンは?
もしかして、わかってて……黙ってるの?
「……」
なんで?
私はもうノアだと周りにバレてしまった。
私の為を思って隠す必要なんてない。
それでも黙ってる理由があるなら、一つ。
知られたくないからだ。
アレンのノアとしての力を。
室長はアレンがノアとして覚醒したら、そしてはっきりと教団の敵と見做されたなら、その時は然るべき対処をしなければならないと、さっきの説明で言ってた。
然るべき対処がどういうものなのか。恐らく今の私の拘束よりも、もっと悪いものだろう。
とにかくアレンにとって良いものじゃないことは確か。
…もしかしたら、それから逃れる為に?
私へ影響を与えた自分のノアメモリーの変化を、アレンが黙ってるとしたら。
……それしか考えられない。