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My important place【D.Gray-man】

第43章 羊の詩(うた).












「──以上が、アレンくんのノアの事柄について今現在わかっていることだ」


 数十分後。
 淡々とアレンの説明を行うコムイ室長の言葉を、私は必死に聞いていた。
 あまりにも予想外のことで、理解しようとするだけで精一杯だったけど。

 "14番目"という、今までの教団側のデータにはなかったノアの存在。
 ノアは13人。14人目のノアなんて、本来は存在しない。
 そのノアのメモリーが、アレンの体に寄生しているという。
 アレン自身がノアメモリーを宿したのではなく、"14番目"というノアが昔にアレンの体を宿主と決めて寄生したらしい。
 だからアレンは、エクソシストでありながらノアの可能性も持ってるんだ…。

 寄生型エクソシストのアレンだから。
 イノセンスとノアメモリーという相反するものを、体内に宿して反発しないのか。
 不思議には思ったけど、ノアとして覚醒していないなら可能なことなのかな…。

 そんなアレンの体の事情を知っているのは、教団上層部の人間とエクソシストだけ。
 だから私は知らなかった。聞かされていなかった。

 前に夜中の書庫室で出会った時、私と同じにノアの資料を探していたと言っていたアレン。
 問えば確かに、"14番目"という名を口にしていた。
 それが何か聞けば、曖昧な返事をしていたけど…恐らくあの時からアレンは、ノアメモリーが自分の体に寄生してるって自覚していたんだ。





『もしかして調べものって……ノアに関すること?』

『…はい』





 問えば、控えめに静かにアレンは頷いていた。
 あの時は、エクソシストとして敵であるノアの情報を調べているだけだと思っていたけど…違ったんだ。
 自分の体のことを調べてた。
 私と同じに。

 私みたいな一団員には知られちゃいけないことなのに、その危険を冒してまで14番目の名を伝えてきた。
 …あの時…アレンは、一体どんな気持ちでその名を口にしたんだろう。

 ……もしかして…私と同じように、自分の体への未知なる不安を感じていたのかな…。

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