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My important place【D.Gray-man】

第42章 因果律



 悪寒が走った原因は、リンクの札だけではなかった。


「丁度良い。このまま御同行願おうか」

「室長が待ってますわ」


 リンクの後方に待機している、見覚えのある鮮やかな緋色の装束マント。
 相も変わらず顔布で隠された表情は見えない。
 しかし投げかけてくる声は変わらず冷たいもの。
 彼らは、自分を敵と見做し攻撃してきた鴉の二人だ。


「リンクさん…この人達、は…」

「…マダラオとテワク。私と同じ中央庁の者です」


 そう説明はしてくれるものの、リンクの表情はどこかぎこちなさが残る。


「わたくし達の説明など、敵に不要ですわ」

「…っ」


 〝敵〟

 躊躇なくテワクの口から吐き出された言葉に、雪は体を強張らせた。
 咄嗟に視線を自分の肌に落とす。


(…あれ…?)


 しかしそこには、予想していた褐色の肌は存在していなかった。
 いつもの変わらぬ自分の肌。
 いつの間に元に戻ったのだろうか。

 しかし体は元に戻っても、彼らには視認されてしまった。
ノア化してしまった自分の姿を。

 神田にだけ見せるつもりだったはずの姿。


(…ユウ…?)


 ぎゅっと己の体を抱くようにして、辺りを見渡す。
 個室であろう病室にいるのは、リンクと謎の鴉二人だけだった。
 神田やアレンやマリ達、エクソシストの姿は何処にもない。

 此処は何処なのか。
 窓の外には見覚えのある深い森。
 となると、此処は教団の病室なのだろうか?

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