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My important place【D.Gray-man】

第42章 因果律



 早く目覚めて欲しい。
 雪と言葉を交わしたい。
 自分と似た立場だからなのか、あの夜中の書庫室での姿を思い出してしまうからなのか。
 その心がアレンは気になって仕方なかった。


「チッ」


 そう思いを込めて目を向けるアレンの意識を止めたのは、小さな舌打ち。
 見れば苛立つ気配の神田がいた。


「さっさと行くぞ。ちんたらしてんじゃねぇよ」

「…わかってますよ」


 煽るような物言いに、ついアレンの眉間にも皺が寄る。
 雪のことがあってから、ずっと神田はピリピリと苛立っている。
 気持ちはわかるが、当て付けのようにその苛立ちを向けてくるのは止めて欲しい。


「コムイさんの前でもその態度はやめて下さいよ」

「あ?」

「それですよそれ。その喧嘩腰」


 病室を出て廊下を隣同士歩む。
 ギロリと睨んでくる視線を平然と受けながら、アレンは肩を下げた。


「神田が短気なのは充分わかってますけど、大事な報告に行くんですから──」

「何言ってやがる」


 普段よりも低い声。
 苛立つ気配がより一層濃くなった。


「誰の所為でこんな事態になったと思ってんだ」

「…はい?」


 アレンの体にだってノアのメモリーは宿っている。
 今回垣間見たアレンの異変で、神田は確信付いていた。

 無関係だとは言わせない。
 例えお互いがノアだということをアレンと雪が認識していなくても、神田からすれば充分過ぎる接点だった。

 アレンの体に異変が起きた後、雪の体もノア化していた。
 偶然と考えるには都合が良過ぎる。

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