My important place【D.Gray-man】
第42章 因果律
「あたしは味方なのよ! やめてぇええ!!!」
「…味方?」
悲鳴を上げるパメラの顔のヒビから、一筋、二筋と赤い液体が溢れて流れ落ちていく。
あ…あ、あれ…血…?
もしかして…パメラの、血?
「そうよ! 味方よ! あたしは伯爵様の…!」
「味方なら、ボクらのご飯になってよ」
必死に声を荒げるパメラに対し、その不気味な一つ目お化けはトンガリ帽子の唇をにんまりと歪めて笑った。
バキンッ
それはあっという間の出来事だった。
一つ目お化けの足が、パメラの顔を砕く。
一気に砕いた顔の奥まで入り込んだ足先から、ホースの水のように勢いよく溢れ出す真っ赤な血。
パメラの、血。
「ごっちー♪」
その真っ赤に染まった足を退いた先にあったのは…ガラクタのような、パメラの残骸だった。
まるで人形が壊れたかのように、顔がヒビ割れて潰れている。
中はドス黒い血に染まって、パメラの面影なんてどこにもなかった。
ドス黒く赤い血と、パメラの顔だったもの。
皮膚や骨らしいものは全部、ヒビの入ったガラクタにしか見えない。
悲鳴も何も聞こえなかった。
最後に耳にしたのは、ガラクタを踏み壊すような音だけ。
…え…し、死んだ…?
パメラが……死んだ、のか…?
「…ぁ…」
……な、なんだよ…なんなんだよこれ…!
「ぁ…ぁあ、あ…っ」
「イノセンス回収~。さぁ行くぞー」
「えっ!? や、やだ…! 嫌だ…!」
そのままスタスタと歩き出す一つ目お化けに、体を黒い布紐でぐるぐる巻きにされたオレも連れていかれる。
い、嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ!
オレも殺される…!?!!