My important place【D.Gray-man】
第42章 因果律
「AKUMAってなに──」
「嘘だろ…」
意味のわからない情報に頭がついていけずにいると、白髪のあんちゃんから驚きの声が上がった。
「ゲートが…作れない…!?」
ゲート?
…そういえば方舟のゲートがどうとか…言ってたけど…それも何がなんだか。
あーもう!
訳わかんねぇことばっかだ!
「かぁっ!」
「ぐ!…やはり…手強いか…!」
「チッ…! おい! 早くそいつらを避難させろ!」
強い光を発するレベル4っていう…AKUMA?に弾かれて、女顔のあんちゃん達がこっちに引き下がってくる。
その鋭い目がこっちに向いたかと思えば、ホクロのあんちゃんに腕を掴まれた。
なんだ?
「失礼」
「わっ!?」
「きゃあっ!?」
あっという間にその腕が俺の体に回ったかと思えば、片腕で簡単に持ち上げられた。
同じくエミリアの悲鳴が聞こえて、見れば反対側でホクロのあんちゃんの肩に担がれている。
細い体してんのに、オレとエミリアをこんな簡単に持ち上げるなんて。
…そういえばこのあんちゃんの体を借りた時、すげー力出せたっけ。
「そうしゃのちから。のろいのひだりめ」
ホクロのあんちゃんに運ばれながら、オレの目に映ったもの。
「AKUMAがこんなに近くにいても、左眼が反応しない…っ」
「きゃはははは! われわれがいつまでもおくれをとるとおもったか! あれん・うぉ~かぁあああ!!!!」
真っ白な体を光らせながら、不気味に高笑いするレベル4っていう生き物。
AKUMAっていうのがなんなのか。
あんな人みたいにペラペラ喋ってんのに、なんで"兵器"なんて呼ばれてるのか。
オレには全然わからなかったけど…不気味で底の知れない生き物。
本当に聖書に出てくる、悪魔のようだと思った。