My important place【D.Gray-man】
第42章 因果律
「なんじゃ。知りたくないのか?」
「…そうじゃねぇけど……俺の頭ん中弄らねぇだろうな」
「する訳なかろう。雪の記憶を見せてやるだけだ」
「……」
胡散臭そうに見てくる顔は、全くワタシを信用していない。
本当に嫌っておるのう…。
ワタシはマナーは守るぞぉ。
家族のプライバシー侵害などせんわ。
「嘘臭いんだよなぁ、ほんと」
「…信用ゼロじゃな」
「前科があるからだろ。俺、お前の言葉は基本信用してねぇから」
酷いのう。
「見せるも見せぬもワタシはどちらでも良いが、次にその言葉を雪に投げかける時は時と場合を選ぶよう、気を付けることだ。また怖がらせたくないならの」
翳していた手を引っ込めて、上下の足を変えて胡坐し直す。
そうして忠告だけしてやれば、ティキは渋々とその身を元のベンチに座り直した。
「ったく…わかったよ。大人しくしてるから、見せろ」
なんだかんだ言うても気になるんじゃの…素直に最初から大人しくしていれば良いものを。
「……」
「その餓鬼でも見るような目向けてくんの、やめてくんない?」
いやぁ…素直でないのうと思っただけだ。
「流石に頭ん中読めなくても、今のお前が何考えてるかくらい俺にもわかるから。だからその微笑ましいもん見るような顔ヤメロ」
「わかったわかった。ならば大人しくしておれよ」
ジト目を向けてくるティキに笑い返して、再び手を翳す。
するとはっとしたように煙草を持つ手で制された。
「あ、ちょいタンマ」
なんじゃ、今度は。