My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
「あ。それとユウから貰った初めての"物"だから、やっぱり嬉しいっていうか特別っていうか……ユウ?」
慌てて思い出したように付け加える雪の言葉を待たずに、椅子から立ち上がる。
柵の前まで歩み寄ると膝を付いて、座り込んでいる雪の今一番傍に寄れる距離まで近付いた。
「……」
「…えと…やっぱり…重い、かな…」
無言で目を合わせれば、恐る恐る伺うように問いかけられる。
苦い笑みを浮かべて。
「…別に。重いとか綺麗じゃないとか、そんなシケたこと言う気はねぇよ」
俺をエクソシストとしての枠でしか見ずに全く興味を示さなかった雪が、そこまでの想いを抱えるようになったんだ。
その想いに評価なんてつける気はない。
…誰でもいい訳じゃない。
他の誰かが雪と同じ想いを口にしたって、別に響いたりしない。
こいつだからだ。
こいつの心だから、俺には意味がある。
俺のそんな想いだって見方を変えれば、充分"綺麗"なんて言えない。
こいつを俺の我儘で鎖にして、結果そういう想いを抱えさせた。
縛ったきっかけは俺だ。
それに雪は望んで応えた。
そこに正解なんてもんはないし、それ以上も以下もない。