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My important place【D.Gray-man】

第41章 枷



「…うん…ごめんなさい、黙ってて。ユウの大事なものだから、盗られたなんて中々言えなくて…」


 これに関しては、正直に謝ろうと本音を告げることにした。
 いつもより小さな声で、恐る恐る謝罪する。

 怒られるかな…怒るよね。
 唯一、ユウが肌身離さずずっと身に付けていたものだから。


「取り返そうとはしたんだけど、上手くいかなくて…」

「お前は、」

「?」

「お前はどうなんだ」


 私?


「俺の大事なもんだから、後ろめたさなんて感じたのか」


 あ。
 …負い目があったこと、バレてたんだ。
 やっぱりこういう時のユウの洞察力は凄いと思う。


「お前にとっての数珠(それ)はなんなんだよ」

「それは…」


 一瞬言葉に詰まる。
 洞察力の高いユウだから、気付いているかもしれない。
 私がユウとはまた別の思いで、この数珠を身に付けてること。


「私にとっても…枷だよ、ちゃんと。ユウの思いと同じだから」


 でもそれを言ってどうかなるのか。
 どうにもならない。

 軽く首を横に振ってそう告げれば、ぴくりとユウの形の良い眉が微かに動いて──


「ほお」


 すんごく疑わしい顔で睨まれた。
 あ、駄目だこれバレてるや。


「ごめんなさい嘘です」

「最初っからそう言え阿呆」


 咄嗟に条件反射で本音を言えば、即答で駄目出しされました。

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