My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
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「………痛い」
「単なる掠り傷だろ」
「…普通あそこでガソリン爆発させるかな…」
「ちゃんと救い出しただろうが」
「…一歩間違えたら私も爆発に巻き込まれてたから」
「間違えねぇよ。見縊んな」
差し出した腕には幾つかの掠り傷。
そこにペタペタと絆創膏を貼り付けていく、目の前に座る人の長い指。
腕から視線を上げれば、くっきりと眉間に皺寄せた顔が視界に入り込んでくる。
もうあの恐ろしい殺気は消えていたけど、未だに怖い顔した神田ユウその人の顔が。
ガソリンタンクを狙ったユウの界蟲は爆発を起こさせ、乗っていたルパン達を吹き飛ばした。
となれば同じ車に乗車していた私も吹き飛ぶはずだったんだけど。
間一髪、滑り込むようにして突進してきた複数の界蟲達が、額に備えた刃を私の服に突き刺したもんだから。
そのまま引き摺られるように、私の体は界蟲達の力によってルパンの腕の中から引き離された。
そして数秒後に起こった爆風に背中を押されて、半ば吹き飛ぶ形で地面に落下。
下が柔らかい雪でよかった。
じゃなきゃ擦り傷だけじゃなく打撲も受けてたかも。
というか色々と荒い。
あれ、上手く界蟲が私を車から引き離さなきゃ爆発に巻き込まれてたから。
ユウはミスする気はなかったみたいだけど、心臓に悪いから。色々と。
というか間近で見た界蟲はちょっと怖かった。
だってナウシカの王蟲みたいなんだもん、複数の赤いまん丸な目とか。
近くで見ると結構グロテスクだよね。