My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
夜空を素早く飛行する、人の頭程の多きさを持つ不気味な白い体に赤い目の界蟲。
「なんだぁ? ありゃあ…!」
「あれもイノセンスの力ってやつ?」
「む!」
その異様なものに驚きの声を上げる次元とルパンに対し、一人冷静な五ヱ門だけが刀を抜いて車から飛び出した。
待って、無理だから!
普通の刀じゃ界蟲は斬れないから…!
「何…ッ!?」
案の定、目にも止まらぬ速さで振るった五ヱ門の刀は、実態のないものを斬り付けるかのように空振りを起こした。
止まる気配のない界蟲は一気にそのまま車へと突っ込んでくる。
や、やめてほんと!
「なんで私までぇえええ!?!!」
ドォンッ!!!
切実な悲鳴を上げた瞬間、襲いくる界蟲は車輪やガソリンタンクに衝突し爆発を起こした。
ああもう、本当。
少しは手加減して下さい。
やっぱりあの人は"ワイルド"なんて言葉じゃ収まらないです、不二子ちゃん。