My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
「ちょ…ッそんなこと言ってない!」
「暴れなさんなって。外まで連れてくだけだ。そこであの黒服のお仲間に拾ってもらえばいい」
「そんなことしたらガルマー警部に怒られる…!」
「なんだァ? 雪ちゃん、あの警部の肩持つのかよ?容赦無く怪盗Gの容疑吹っ掛けてきた奴なのに」
「そうじゃないけど…ッ」
あの人、怒ったら顔怖いんだって。
怪盗の"か"の字でも耳にしようもんなら、獲物見つけたハイエナのような顔するんだって。
もうあれ怪盗Gに毒されてる気がする。
色んな意味で。
「無理矢理はよせ、ルパン」
「人聞き悪いこと言うなよ五ヱ門。こりゃあ親切心ってやつさ」
「あーあ、本当にその娘さんが気に入っちまったのかい」
私を抱いたまま軽々と穴の外に出るルパンに、五ヱ門と次元の呆れた声が重なる。
冷たい冬の風が頬に当たる。
見晴らしのよくなった警察署の敷地内を見渡しても、監視員らしき人は見当たらない。
気付いていないだけなのか、ルパン達が何かやったのか。
「残念だったなぁ、不二子。ルパンが他の女にお熱でよ」
「別に?」
クックッと笑いながら皮肉たっぷりに声をかける次元に、不二子ちゃんは気にした様子なくさらりと受け流した。
そのまま長い足を、傍にあった大きなエンジンを下げた大型バイクに跨らせる。
うわあ…グラマラススーツの美女が大型のハーレーに乗る姿とか。
様になるなぁ。
「私は別のものにお熱だから」
そう言って不二子ちゃんが窮屈そうにスーツの中に詰められた、豊満な胸の間。
深くできた谷間に手を伸ばす。
わ…あれ一つ間違えればポロリするよ…。
……。
………というか何食べたらあんなに胸大きくなるのかな…。
柔らかそうな谷間の間に吸い込まれていく、革手袋の指先。思わずガン見しちゃいました。
同性だしいいよね、許されるよね──…って、あれ?
「「え?」」
思わずルパンの声が重なる。
私達の目に映ったのは、柔らかい豊満な谷間から不二子ちゃんが取り出したもの。
見覚えがあった。
銀色の筒状の物。
それはさっきルパンが胸ポケットにしまっていた、あの小さな銀色のロケットと同じ形をしていた。