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My important place【D.Gray-man】

第40章 パリの怪盗



「とりあえず本部に連絡がいくよう、なんとか警察の人に手配してもらわないと…」


 拘留されてる私達じゃ、どうしようもない事態。
 仕方がない、どうにか警察に取り合ってもらおう。
 希望は薄いけど本部への連絡を入れてもらおうと、背中を付けていた硝子へと向き直る。

 と、目が合った。

 ガラス一枚隔てた、すぐ向こう側にいた知らない顔と。


「どうぉわっ!?」


 ってか近い!
 凄く近い!

 予想もしていなかった近距離にある人の顔に、反射でザザッと後退る。

 知らない男性だった。
 下睫毛がちょっぴり長い、意志の強そうな黒い目。
 立派な黒い眉毛と揉み上げに、くっきりと二つに割れた顎。
 ボネールさんとは違う意味で、随分と濃い顔だ。
 見たところ東洋人みたいだけど。


「彼女がルパンと接触した人物というのは本当かね」

「ああ、俺の部下が見てる」


 あ、ガルマー警部もいる。
 知らない東洋人の男性に、渋々応える顔は数日前に見た時よりやつれていた。

 …あれもう心労じゃないかな。


「そうか。ルパンの件について、君に少しばかり聞きたいことがあるんだが」

「え…あ、あの…」


 というか、貴方誰ですか。
 ガルマー警部とこんな所で話してるってことは、警察関係者?


「私はICPOの銭形だ。ルパン逮捕の為に此処に来た」

「ICPO…?」


 って…インターポール?
 あの国際刑事警察機構っ?

 そんな大層な人まで動かすなんて、流石ルパンと言おうか。
 ベージュ色のトレンチコートから取り出した身分証を見せてくる彼は、正真正銘国際警察の人なんだろう。
 なんたって、あのガルマー警部が渋々だけど言うことを聞いてるし。
 私やジジさんは取り合ってもくれなかったのに。

 …やっぱり身分証って大事だなぁ…。

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