My important place【D.Gray-man】
第40章 パリの怪盗
盗品全37品を把握してる訳じゃないから、自分が知っている盗品だけ思い出してみる。
ええと…確か…
"ホープ・ダイヤモンド"は別名ブルー・ダイヤモンドといわれる、青みがかったダイヤの宝石。
"ラ・ペレグリーナ"は有名などこかの王室の人が身に付けてたっていう、大粒の真珠の首飾り。
"ゴールデン・トパーズ"はその名の通り、黄金色したトパーズの宝石で、かなりの大きさのものだったような。
…その共通点?
「全然わかんないんだけど…宝石だってことくらいしか」
「ぴ~んぽ~ん。せ~いか~い♪」
「え。」
まさか。
「そんな単純な正解なのっ?」
「そ。あの"ピジョン・ブラッド"だってルビーの宝石だったろ?」
「そ、それはそうだけど…」
そんな簡単な正解だったなんて。
なんかもっとこう、消された組織の秘密とか、隠された歴史の秘密とか…そんな感じの共通点かと…映画の見過ぎとかじゃないから。
ルパンが言うくらいだから、そういう壮大な秘密があるんじゃないかって思っただけだからっ
「言ったろ? 怪盗Gはド素人だってよ」
カツン、とルパンの足が音を立てて止まる。
「盗む獲物も至極単純。価値なんて大小考えずに宝石ばかり狙ってやがる」
「それって…」
「幼稚なんだよ。やってることはがきんちょの遊びだ」
だから、と付け足して。
目の前のガラスケースに飾られた展示物を見てルパンが笑う。
「次にあいつが狙うのは、恐らくこれ」
「これって…」
つられて目の前の展示物に目を向ける。
ピカピカに磨かれた分厚いガラスケースには、私とルパンの顔が映し出されている。
その中に飾られているのは煌びやかな王冠。
これでもかと大小様々な宝石が飾られた、誰が見たって相当な値のものだとわかる一品。
…と、いうか。
「…国宝でしょ」
ルパンとやってきた此処は、パリならぬ世界でも最大級の大きさ、知名度、史跡の一つとされている国立美術館──ルーブル美術館。
その目玉の展示物であるこの王冠の名は、国宝"リージェント"。