第1章 病院
「へー君のお兄さん小説家なの?」
いきなり私の後の席の和服男性が話し掛け出来た。
「え?…あ,いえ違います」
「あれ?違ったの?」
「はい…」
それから少し沈黙…
爽は“どうして小説家なの?って聴かれたんだろう?”
そんなこと思っていると,又しても後の席の男性から
「うん!それわね?」
「わぁッッッ…」
ドックン!!爽は胸元を片手で掴み
“何で…今ッ…発…作……”と後の席の男性を心配していた。
“貴方が悪いのではないから……気にしないで…”
そんな他人の心配をしている状態ではないがソレが彼女…爽の人柄だった。
そして,爽は心臓発作により意識が途切れ倒れた。
「え!どうしたの!?お嬢ちゃん!!」
「うるさいぞ紫呉…」
「あ!ハーさん!!」
前の席を見て“ハーさん”こと“はとり”は驚き
紫呉に「看護師を呼んで来い!」と言った。
「ハーさん呼んで来たよ!」
「あ!草摩先生!!」
「と…爽ちゃん!?」
二人の看護師は駆け寄る,騒ぎを聞き付け婦長もやって来た。
「また,心臓発作のようね!
琴さんはタンカを持って来て!!
彗さんは爽さんの担当のDr.に連絡して来て!!」
婦長の指示通り二人の看護師がタンカを持って来た。
時間を置かずに緊急手術が始まった。
が,手術のかいもむなしく
…程無くして爽の心臓が…止まった……