第3章 練習試合
「じゃあ、宜しく頼むな!」
『はい』
私が岩泉さんに返事をすると、3人は練習に戻った。
さて、ドリンクを作りますか。
入畑監督と溝口さんの所へ行って
『すみません、今からドリンクを作ってきますので、試合最初に間に合わないと思うんですけど・・・スコアブックは・・・』
「あぁ、俺が付けるから問題ないよ」
『すみません、出来るだけ早く戻ってきますので』
そう言って、給水機の所でドリンクを作る。
『ふぅ~』
人数多いから結構時間かかるな。
「あれ~??君、うちの生徒じゃないよね??」
ビクッ!急に後ろから声を掛けられた。
後ろを振り返ると・・・絵に描いたようなイケメンがいた。
「それ、ウチのドリンクだよね?」
『えっ、はい。そう、ですけど?』
「君、烏野のマネちゃん?」
『あっ、はい。そうです。今日一日、お手伝いさせていただきます。よろしくお願いします』
私はニッコリと笑った。
ズキューン(打ち抜かれた音)
「まっ、マジ?!こんな可愛い子がいるなら、もう少し早く来るんだった!」
軽っ!もしかして・・・この人が?
『お世辞ありがとうございます。早く行かなくていいんですか?』
「ふ~ん。俺がいなくてもあいつらなら大丈夫だと思うけどね~♪」
チームメイトのこと凄い信用してるんだ。軽い人ってだけじゃないみたい。
『もしかして・・・主将さん、ですか?』
「そうだよ~?」
やっぱり、さっきの岩泉さん達が気をつけろってこの人のことか。
『そんなことより、早く行かなくていいんですか?』
「え~、君は~??」
『私はこのドリンクを・・・』
「このドリンク持って行けば一緒に行けるね?」
『えっ?!いいですよ!私の仕事ですから!!』
「これ、結構重いから。女の子一人じゃ結構きついよ?」
そういうと、彼はヒョイッとボトルのかごを持って体育館へ歩き出した。
『ちょっ、まっ、待ってください!!』
私は、急いで片付けて彼の後を追った。
「あ~♪俺のことを追いかけてきてくれるなんて♪」
『もうっ、当たり前じゃないですか、私の仕事を手伝ってもらってるのに・・・』
「違うよ~、俺達の仕事を君が手伝ってくれてるんだよ~♪ありがとね」
『いえ・・・それでも、今は私の仕事ですから、ありがとうございます』
「っ!!」
私がニッコリと笑うと、何故だか、彼は顔を赤くしていた。
