第3章 練習試合
体育館に入ると
【キャー!!!】【及川さ~ん!!】【キャー!!!】【及川先ぱ~い!!】【キャーッ!!】【キャー!!!】【及川さ~ん!!】
ビクッ!女子の歓声が。おぉ・・・これは・・・・。
チラッと青城3年生の方を見ると・・・言ったとおりだろと言わんばかりの顔でこっちを見ていた。先ほどの彼、及川さんの方を見ると慣れたようにヒラヒラと手を振っている。いつものことなのか?
烏野のコートでは田中君がイライラしているのが分かる。
確かにこれは・・・面倒ですね~。
及川さんが最終セットでピンチサーバーとして交代し、サーブを打つ。
月島君を指差したのは、宣言だったのか。ちなみに、その前に何故か、私にウインクを飛ばしてきたのだけど・・・何故?気付かれた・・・ってわけではなさそうなんだけど。
そして・・・結果は、烏野の勝利!及川さんは凄かったけど、ちょっとだけだったし、影山君と日向君の、速攻は凄かった。うん、バレー素人の私にも凄いってよくわかった。
でも・・・インターハイを勝ち抜くにはまだまだ、なんだろうな~。詳しいわけじゃないけど、そう思った。
バスへ戻る途中、及川さんに忠告を受けた。その後
「で、今日、ウチ手伝ってくれたマネちゃんの名前、知りたいんだけど?」
『えっ・・・と・・・』
困った私は澤村先輩と菅原先輩を見て咄嗟に
『主将と、副主将の許可をもらってからにしてください』
と言った。いつもなら、事務所を通してくださいだから。
「(上手く逃げた!)」
「え~、で、どうなの?キャプテンくん?」
「う~ん」
澤村先輩は菅原先輩を見る。
「本人が教えたくなさそうなんで、お断りします」
ニッコリ 菅原先輩が笑顔を見せる。
「え~?!」
ガックリと肩を落とす及川さん。
「と、いうか。遅れてきた及川が悪いんじゃないのか?」
「?!じゃあ、岩ちゃん達は知ってんの?」
「多分・・・」
「じゃあ、聞こおっと♪」
「(切り替え早っ!)」
「さあ、帰るべ」
『はい!』
帰ることになった。