虹彩異色症の女神さんは2人の炎に愛されました【エース・サボ】
第3章 私は自由
「じゃあさ、俺と海賊やらねェ?」
『・・・私を買ったのは貴方、好きにすればいい』
貴方が私に何を命じようが自由。
私は従わなければいけない。
『・・・私は貴方の決断に従うだけ』
「じゃあそれでいい!お前は仲間だ!!」
『分かりました、エース様』
10年前の海賊は恨んでいる。
でも他の海賊は別に嫌いじゃない。
「様はよせ、呼び捨てでいいよ。」
『ではエースと、そう呼びます』
「おう!」
エースはアリスの手を引いて14番グローブまで来た。
そこには黄色い小さなボート。
「ストライカーつって俺の能力で動くんだ。隣にさっき買ったやつつければお前も乗れるぞ!」
エースは隣に先ほど購入した一人用のボートを取り付けた。
器用なのか、あっという間に終わらせた。
エースは自分のほうに飛び乗ってアリスはエースが取り付けたばかりの方に乗った。
エースが心配そうに見つめていたがアリスはいとも簡単に乗って見せた。
「お前結構頼りになるな!」
ニッシッシと笑って対岸を蹴った。
動き出したストライカー。
アリスは蹲った。
「気分悪いのか!?」
エースはスピードを落とした。
『違う・・・ただ、私が可笑しいだけ』
「?」
『スピードとか関係ないから・・・出していいよ』
アリスはエースを見ていった。
実はスピードというのか・・・海風でフードが外れたのだ。
それを隠すために蹲ったのだ。
「そっか?じゃあ・・・」
エースは最初のスピードのまま海を滑っていく。
アリスはフードを握り締めた。
今、目赤くないよね・・・
それだけが気がかりだった。
きっと何かのきっかけで赤くなってしまうのは分かっている。
それでも心配なのだ。
「・・・」
エースはその様子をそっと見つめていた。