虹彩異色症の女神さんは2人の炎に愛されました【エース・サボ】
第3章 私は自由
その日のうちに次の島に着いた。
ここで一泊するらしい。
「これで服とか好きなもの買って来いよ。」
エースにベリーを渡された。
アリスは必要なものだけ買い揃えることにした。
下着、衣服、多めに買ってそれでもベリーは余った。
宿屋で休んでいるエースの元へ向かった。
その道中。
2人組みの男が現れた。
アリスは避けて通ろうとした。
「よぉ、ねぇちゃん。俺らと遊ばねェ?」
「おぉー!結構カワイイじゃねェか!」
2人の男にジロジロ見られて気分がいいわけない。
『warlua・vafacku』ウォールア・ヴァファック
2人の心臓付近に青白い光が現れた。
「何だァ?」
そしてアリスの手にも。
アリスは少しだけ握った。
「う゛・・・あぁぁぁぁ!!」
左胸を押さえて倒れる2人。
『私に手は出さないこと・・・』
フッと光を消した。
死にたくないのなら私に手を出してはけない。
アリスは荷を持ってその場を後にした。
無闇に殺すことはしない。
「アリスっ!」
エースは律儀に宿屋の前で待っていてくれた。
アリスは余ったベリーを渡した。
「ん?」
『余ったから』
「服だけか?買ったの」
『必要なものを買いましたから』
(欲のねェ奴)
エースは密かに思った。
そしてアリスの荷物を持った。
『いいよ、自分で持てる』
「遠慮すんな!」
エースはそのまま宿屋へ入っていった。
エースについてアリスも入った。
「いらっしゃいませ」
店員が明るく迎える。
「部屋2つ空いてるか?」
「申し訳ございません、只今1つしか空いてないのです」
「じゃあ別の・・・」
『別に?私は一緒でも気にしないから』
アリスはボソッと答えた。
エースはそっとアリスを見た。
別に俺だって下心があるわけじゃない。
ただ、出会ったばっかりの男と同じ部屋に泊まるなんて・・・
「いいのか?」
『気にしないって・・・』
「じゃあ借りるか」
「かしこまりました」
店員に案内された部屋で寛ぐエース。
アリスは椅子に座ってじっとしている。
「なぁ、何でずっとフード被ってんだ?」