虹彩異色症の女神さんは2人の炎に愛されました【エース・サボ】
第10章 #束縛と解放
知らず知らずのうちに寝ていたらしい。
アリスは薄っすらと目を開けた。
エースは帰ってるかな?
「おい」
『エース・・・何?』
「何?お前は自分の状況を分かってねェようだな」
何を言っているんだろう。
アリスは体を起こしてエースを見た。
その手には・・・
海軍のマークが入った電伝虫があった。
「これは一体何だ?」
『それはッ!!』
「どうやら俺は勘違いしていたようだ。お前は裏切り者だったってことだ」
『なっ!!』
違う!!
本当に勘違いしてるわ!!!
私は裏切ってなんかない!!!
「もういい。消えろ」
『私は裏切ってない!!!』
「じゃあこれは何なんだ?」
『電伝虫じゃない』
「海軍のスパイだったんだろ?俺を確実に捕らえるための」
『違う!!!』
ドンと壁に追いやられた。
その顔には殺意さえ浮かんでいた。
逃げられない。
危機を感じたアリス。
「俺はお前が嫌いだ」
『私はあなたが好きよ!』
「そうか・・・」
エースはアリスをベッドに放り投げた。
そして自身のベルトでアリスの手首を締め上げた。
そのベルトの先をベッドの先に括りつけた。
『エース!!』
「嫌いにならせてやるよ」
『嫌っ!!』
手を幾ら引っ張ったって拘束が解けるわけでもない。
きつく締まっている。
『お願い話を聞いて!!!』
「言い訳はもういい。」
怖い・・・