虹彩異色症の女神さんは2人の炎に愛されました【エース・サボ】
第6章 砂漠の国と
アリスは目を見開いた。
何を言っているのか意味が分からない。
「まずもってだが、七武海というのを知っておるか?」
『知ってるわ・・・』
「返事はいつでもよい、その小電伝虫はお前にやろう」
『ちょっと、待って』
「なんだ」
『何故か理由を聞かせて』
「なんのだ」
『私が勧誘された理由よ!』
何故私が選ばれたの・・・?
何のため?
『言っておくけれど、エースを捕らえるためなんて言ったら即断るわ!』
「無論、そんなことではない」
『じゃあ、何で・・・』
「お前の特別能力だ」
『この力?』
「その力は世界を滅ぼすことのできる恐ろしい力、悪いが言わせてもらうぞ」
『・・・』
「我々はその力を利用したいと考えているだけだ」
アリスは断る方がいいと考えた。
だが、いざというときに立場があればエースを手助けできるかもしれない。
悩んだが、返事はいつでもいいというので今日のところは止めておいた。
と、そのとき。
エースが炎の壁を作り海軍を撒いたのが分かった。
『返事はいずれ』
「いい返答を待っていよう」
電伝虫を切った。
エースに気づかれる前に小電伝虫をしまった。
「行くぞ!」
『弟さんを追うの?』
「おう!」
エースと並んで走る。
心境は揺れてはいるが、決してエースを裏切るつもりはなかった。
心身ともに、エースに奪われてしまった。
もう、離れられない。
『強いのね、エースって』
「俺を過信すんなよ」
『ふふふっ、』
後に、七武海勧誘が役に立つとは思ってもいなかった・・・。
あんなことが起こることさえも、想像がつかなかった。
『あっ、あれじゃない?』
「そうっぽいな」
『じゃ、急ご!』
「よっしゃぁー!」
港まで着くと2人ともストライカーに飛び乗った。
エースが発火し、動き出す。
「すぐ追いつくさ!」
『そういえば』
「ん?」
『血は繋がってないんだよね』
「まぁな」
『姓名が違ったから』
「杯を交わして兄弟になったんだ」
『素敵ね』
「サボが死ななきゃ、3兄弟なんだぜ?」
『何いってるの、サボ君だっけ?が、死んでしまってもそこに居たことは変わりないんだからいつまでも3兄弟よ』
「そう思っていいんだよな」
『勿論!』