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虹彩異色症の女神さんは2人の炎に愛されました【エース・サボ】

第6章 砂漠の国と


街中を歩くと突き刺さる視線。

アリスにも、エースにも分かっていた。

すでにアリスの情報が出回っていることが。

特別能力者であり、懸賞首になるのも時間の問題だった。



「海軍がいるらしいぜ?」

『分かってるわ』

「ま、お前なら大丈夫だろ」



エースはドラム王国で始めてアリスの力を見たのだ。

あの力であれば能力者も手出しはできない。



『限りはあるのよ?』

「そうなのか?」

『一度に手にできる命の糧は4つまで』

「結構少ないな」

『完全覚醒すれば無限だけどね』

「まだ上があるのか?」

『まだね』



アリスはエースの隣を歩く。

そっと手を伸ばしてエースの手を握った。

エースはそっと握り返した。



「どうかしたのか?」

『ふふふっ、繋ぎたかっただけ』

「何だそれ」

『嫌?』

「嫌じゃねェよ、寧ろ嬉しいよ」



ズリィぞそんなの。

また俺の理性ぶっ壊すつもりかよ。

エースは振り払うように頭を振った。



「あっ、いい匂いしてきたな!」

『相変わらず鼻がいいようで・・・』

「犬じゃねェよ!」

『ふふふっ』



アリスはエースを見上げた。

整った顔に散らばったそばかす。

テンガロンハットの間から覗く黒髪。

もう全て見慣れてしまった。

と、エースと目が合った。



「俺の顔に何か付いてるか?」

『ううん、何も』

「?」

『見てただけよ』

「よしてくれよ・・・」

『あ、私にも匂ってきたわ、あの店かしら?』

「そうだな!飯!」



すぐに入店した。



「いらっしゃい!」



迎えられて席に座る。

アリスはお腹が空いていない。

どんどん注文するエースに引いていた。



『そんなに食べるの?』

「おう!あとこれとこれも」

『胃袋は無限ね・・・』

「かしこまりました」



店員が下がっていくと、アリスは帽子をとった。

そしてまじまじと見つめた。

淡い桜色のテンガロンハット。

エースとのお揃い。



『この帽子は私の宝物よ』

「ルフィみてェだな」

『そうなの?』

「あいつも麦わら帽子を宝物にしてんだ」

『大切な人にもらったのね、きっと』

「赤髪のシャンクスっつー奴に預けられたそうなんだ」



私もね、一生の宝物にするわ。

大好きなあなたとの思い出だもの。
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