虹彩異色症の女神さんは2人の炎に愛されました【エース・サボ】
第5章 #気づいたら・・・
唖然とするエース。
店主は逃げるようにその場を退いた。
そして口を開くアリス。
『何とか言ってよ』
「え、あ、・・・うん?」
『はぁー、だからね、エースが好きだから・・・分かった?』
「いや、えっと、仲間としてだろ?アハハッ」
『違うって』
「お、おい、それって一体・・・?」
『こう言った方がいい?愛してるって』
微動だにしないアリスと、動揺しまくるエース。
エースだけが顔を染めた。
口に手を添えてクスクスと笑うアリス。
「う、うそだよな・・・ははは・・・・・」
『もちろん、嘘なんかじゃないわ』
「こっ、後悔するからやめとけ!!」
『後悔しないってさっき言ったでしょう?』
「俺ショート寸前・・・」
『何それ』
「お前なんで動揺しないんだ!?普通ならするぞ動揺!!」
『そうなの、私は普通だと思ってた』
机に突っ伏したエース。
信じられねェよ・・・。
これは夢なのか?
俺にだって多少の恋心はあったんだぜ?
そんな俺にそんなこと言うなよ・・・。
『ちょっとー』
「夢か?」
『はい?』
「これは夢かなんかか?」
『何言ってるの?現実だけど』
「気絶しそうなくらいビックリしてるんだが・・・」
『答え聞かせてよ』
「えっ!!?」
答えって、答えって・・・。
俺まだ頭がそこまでついていってねェよ!
わ、分かんねェ・・・。
と、と、とにかく自分の気持ちぶちまけてやる!
「お!俺もアリスが・・・」
『ん?』
「アリスが・・・好きだ・・・・・ぞ?」
『ふふふっ、何か嬉しい』
「お、俺を殺す気かよぉ・・・」
何でだ?
アリスが妖艶に笑ってるとこ見ると・・・
うわっ、最低だ俺・・・。
アリスにそういうこと望んじまったら俺は自分が嫌いになる気がする。
とりあえず受け入れとこ・・・。
『ボーッとしすぎ、私が惨めだわ』
「わ、わりぃ!」
『何考えてるか分かりやすいね、エースって』
「ふえ?」
呆気に取られて目を見開いた。
アリスが目を伏せて放った言葉に失言した。
『私を・・・抱きたいんでしょ・・・?』