虹彩異色症の女神さんは2人の炎に愛されました【エース・サボ】
第3章 私は自由
「サボっていうんだ」
『サボ・・・?』
エースはバックパックから何かを漁る。
そして一枚の紙を取り出した。
「見ろよ!これは弟なんだ!!」
『モンキー・・・・D・ルフィ?』
「すげェだろ!」
嬉しそうに話すエース。
アリスはそっとその手配書を手にとって眺めた。
『ふふふっ、凄い笑ってる・・・』
「だろ!?全く能天気で気まぐれな奴なのさ!」
『そう・・・』
「本当に手の焼ける弟なんだ」
エースは手配書をしまった。
そしてお腹を押さえた。
「腹減ったー!」
『そうですか・・・』
「お前は空いてねェか?」
『私は大丈夫です』
アリスはあまり食べないほうだ。
だからスタミナがここぞというときに持たない。
エースはそっと立ち上がってアリスを抱き上げた。
『!!?』
「軽いって!食え!!」
『いきなり何を・・・』
「お前倒れるぞ?もっと食って体力つけろ!!」
エースはアリスを降ろして食事を頼んだ。
『いいんですけど・・・』
「駄目だ!食ってもらわないと俺が心配で倒れちまうよ」
『そんなに食べられないんです、特に何もしてない日は』
「無理やりでも腹に詰め込め!」
『そんな無茶な・・・』
アリスは困ったようにエースを見た。
食べれる量は食べる。
でも、ほとんど残すかもしれない。
そしたらエースはまた食べろと言うに違いない。
「んな目で見んなよな・・・」
『え?』
「なんでもね!」
エースは煩悩と戦っていた。
だから一緒の部屋は困るんだよ、俺が!
本気で襲ったりは絶対にしねェけどよ・・・。
だからって煽られたら理性ぶっ飛んじまうよ。
エースは顔を押さえてアリスを離した。
『?』
「あっ、ほら俺さ・・・」
『・・・ごめん』
アリスはフイッと顔を背けてエースから距離を取った。
そして2つあるベッドの一つ端に座った。
お腹、空いてないんだけど・・・
それでも料理の匂いがすれば多少は食べれそうだった。
料理が届いてエースと一緒に食事した。