第2章 交わった躰
「もうっ・・・犬神さまったら」
「どうしたんだ?」
「実は・・・その覚えてなくて・・・」
「・・・どうゆうことだ?」
「その・・犬神さまのを・・・呑んでから・・・体が熱くなって・・・そこからあまり・・・覚えてなくて・・・」
「・・・なるほどな・・・」
犬神は少し考え込むと再び本来の姿に戻る
そしてを抱き寄せその銀髪で包み込む
「犬神さま?」
「お前をこうしていると心地よい・・・」
「私も・・・とても安心できます」
も犬神の躰に擦り寄せる
のすぅすぅ・・・という安らかな寝息が聞こえてきた時、青女坊がやって来た。
「・・・なんだ?」
「お邪魔して申し訳ありません。蛇女が騒ぎ立てていますがいかがいたしますか?」
「・・わかった、今行く・・」
「ん・・・」
「すぐ戻る・・待っててくれ」
「ん・・・・」
自分の躰から布団にをそっと移す
からは相変わらずすぅすぅ・・・と規則正しい寝息をたてていた
・・__
青女坊についていくと蛇女がキィーキィー叫び散らしているのが聞こえる
「・・・まだいたのか」
「犬神様っ!ひどいじゃないですかっ!私をほっぽってあんな人間の小娘のところへ行くなんて・・・」
「うるさいぞ、蛇女」
「私はあなたの許嫁なのよ!私を邪険にするならあの小娘がどうなっても知らないわよっ」
「・・・一体どうすると言うんだ?」
ずぉぉぉ・・・と犬神が妖気を纏う
「ぁ・・・あ・・・・」
廻りにいた妖怪たちもその妖気に圧倒され一歩下がる
「虫けらのように消されたくなければ今すぐここから去れっ」
「ふ、ふんっ・・・覚えてなさいっ」
蛇女は逃げるように出て行く
「お、おい、犬神様よ、なんなんだその妖力・・・」
「・・・」
「まさかを抱いて・・・?」
「・・・という事はあの娘には妖怪の力を高める力が・・・・」
「静まれっ!の事を口外する事は許さない、わかったな」
犬神はギロリと周りを見渡すとまた部屋へと戻っていく
「犬神様、まずいですよ・・・蛇女からの噂が広まったら・・・」
「・・・・っ」
「この屋敷にいる間は安全です。何か策を考えましょう」
「・・・そうだな」