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薄桜鬼~100万回言うよ~

第6章 エピローグ~今宵この時~


東の空が白み始めた頃、漸く僕達は繋がりを解いた。

それでも身体はぴったりと寄せ合い、心地好い倦怠感に身を委ねている。

僕の腕の中で微睡んでいる有希ちゃんの髪を鋤くように撫でながら

「ねえ……有希ちゃん。」

僕は語りかけた。

「総介には妹が出来るといいな。
 今度は有希ちゃんに良く似た……
 優しくて泣き虫で……愛らしい女の子が欲しいよ。」

「…………ん。」

有希ちゃんは聞こえているのかいないのか分からなかったけれど、それでも僕の胸に頬を擦り寄せながら微かに微笑んだ。


女の子が産まれたとして……総介とその子の成長を僕はどこまで見守ってあげられるのかな?

有希ちゃんと総介を置いて逝く事を考えると凄く怖いよ。


「…………総司さん…」

「ん?」

有希ちゃんに名前を呼ばれて僕は返事をしたけれど、どうやら寝言のようだ。

そんな可愛らしい有希ちゃんの姿に自然と頬が緩んでしまう。


夢の中の僕もちゃんと君を愛してあげられてるかな。

凄く怖いけど……もう僕は有希ちゃんの側から離れないよ。

最愛の君に看取られて逝くのは、とても幸せな事なのかもしれない。

………今は、そう思う。



だから、有希ちゃん。

その刻が来てしまうまで、一杯笑おうね。

総介とも一杯遊んで、有希ちゃんを一杯幸せにして…

そして………

一杯一杯………愛し合おうね。





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