第4章 僕の風が今変わった
それから…あっという間に三年の月日が流れた。
なのに何故か僕はまだ生きている。
……ただ生きているだけだ。
僕の側にはもう誰も居ない。
有希ちゃんと別れた後、新選組は時代の流れに捲き込まれ転戦を重ね続けた。
僕も甲府までは同行したけど新選組は早々に退却を強いられて、もう碌に戦えない身体になっていた僕は江戸に戻っていた松本先生の元に送られる事になった。
その後の事は思い出したくもない。
近藤さんを亡くして………
土方さんや一君達は鬼神の如く戦いながら北上していると聞いた。
松本先生ですら幕府軍に同行し既に此処を離れている。
どうして僕はまだ生きているんだろう?
もう生きている意味なんて無いのに……
今直ぐに死んでしまっても構わないのに……
今の僕には、自分で自分の命を絶つ気力すら残されていないんだ。
ただ毎日を砂を噛むような思いで過ごしながら、自分の命が尽きる日を待ち焦がれている。