第10章 半径
それから私たちは2年間、毎日のように一緒に登校した。
そうしているうちに、どんどん仲も良くなった。
高校時代、仲のいい人が少なかった彼の仲のいい人になれていることが嬉しかった。
こんなこと思うなんて、想像すらできなかったな。
そして時は過ぎ専門学校卒業の日。
『2年間お疲れ。今日このあと暇?』
「暇だけど。なんで?」
『俺の家でお祝いしようぜ、酒でも呑んで』
「いいね、行く。」
卒業式後、コンビニに寄りお酒を買ってから彼の家に行った。
「あれ、1人暮らし?」
『うん、つい最近からね』
やってしまった……
知らなかった。
お酒、男の部屋、2人きり……
私としたことが……
仲が良いだけの関係じゃなくなるかもしれない…?
でも少し
期待してる自分もいた。