第9章 通学電車
そのときだった。
私の前から長い手が伸びてきて、私を包んだ。
それは紛れもなく彼の手。
「えっあっあの、」
『いいから』
いいからってなんですかあああああ!?
すると見事に痴漢撃退。
彼の力、恐るべし。
それにしてもこの展開…………
キュンキュンしすぎるよ……。
どこまでかっこいいんですかあなたは。
そして彼が降りる駅までこのままでいてくれた。
そして去り際
『じゃあな。』
「あ、う、うん」
返事がぎこちなくなってしまった。
きっと恋人のふりを続けてくれたんだと思う。
そんな優しさに、一日中キュンキュンしまくりでした。