第9章 通学電車
そして各駅で1駅乗ると次は特急に乗り換え。
私も彼も同じドアの前に並ぶ。
これもまたいつも通り。
でも今日はいつも通りじゃない出来事が起きたのだった。
いつものように順番に電車に乗り込む。
もうすでに満員な電車のなかに次々と人が乗り込んでくる。
私もさらに押し込まれるといつのまにか目の前に長身の彼の胸が現れる。
(えっ、まって、こ、これって……)
すごく密着してるじゃん………///
(これじゃあドキドキが聞こえちゃう……)
そんなピンチであり最高なシチュエーションにたたされた私に最悪な事態が襲いかかる。
太ももにさわさわとした感触…
(なにこれ…痴漢!?)
しまった……目の前のイケメンに気をとられて、後ろのおじさんに気付かなかったのだ。
そうしているうちにも痴漢はどんどん度を増していく。
私は思わず顔をしかめ、体をびくっと揺らしてしまう。
(怖い……)