第6章 バイト
秋斗が仲間入りして、秋斗としか気軽に話せなかった私は、お客さんが来なくて暇なときには秋斗とおしゃべり。
帰りも秋斗と一緒に帰ることが多くなった。
「ホールの、佐々木さんってわかる?」
秋「ああ、わかるよ、大学生で背が高い人だろ?」
「そうそう!!本当にかっこいいよねーあの人」
秋「なに、咲羅惚れてんの?」
「えっ、惚れてる…っていうか、その」
秋「分かりやすいんだよお前。」
「でも、佐々木さんと全然仲良くなれない…」
秋「惚れてんだったら、頑張れよ!じゃあな!」
「うん、バイバイ!」
佐々木さんは一目惚れだった。今でも好きだ。でも秋斗のこと、どうしても気になってしまって、もう3年もたっているのに、まだ好きなのかな?と思うようになってきた。
その“好き”はたぶん、佐々木さんのことを好きな気持ちよりも大切な気持ちな気がしていた。