第1章 大人
すぐに仲良くなった俺は、咲羅の色々なことを知り始めてきた。
嫌いなものはネギ、玉ねぎ、ニラ、同い年の男。
「同い年の男はどうして?」
笑いを堪えきれず俺はこう聞いた。
「ガキだから。言ってることもガキ、行動もガキ。」
俺はさらに吹き出してしまった。
「咲羅だって、まだまだ子供だよ」
そう言うと
「子供扱いしないでください」
と怒る。
独身で飢えていた俺にはこの子が癒し、というか素直にめちゃめちゃ可愛い。
(この子見た目の大人っぽさに到底合いそうもないほど中身子供だな。)
俺は親的な感情も、男的な感情もこの子に抱くようになっていった。