第1章 大人
休憩中、彼女は先輩たちに混ざって話をしていた。
(そういえば名前も聞いてなかったな。)
俺もこっそり混ざる。
彼女の名前は咲羅と言った。
苗字は覚えてない。
「今いくつ?」
先輩ナイス!俺もそれが聞きたかった。
きっと23歳あたりだろう。若く見える。
咲羅は少しうつむきながら答えた。
「高校3年生です。」
ゴホッ
俺は気管にお茶が入ってむせた。
高校3年生…18歳!?
(つい最近やっと18禁解禁したところじゃねえかよ。)
とっさにこういうことが浮かぶのは俺の悪い癖だ。
「それにしては大人っぽいね。」
そう言うと咲羅は、
「嬉しいです」
と満面の笑みで答えた。
そう言って笑う美しい彼女は、
大人になりたかった。