第5章 文化祭
後夜祭が始まると、全校の生徒が一斉に体育館に集まってきた。
そして後夜祭は最高の盛り上がりだった。
先輩のバンドは最後から2番目の出演だったので、その時間を狙って見に行った。
曲が始まると、先輩のドラムにしか目がいかない。
ああ、かっこいい……
だんだんテンションが上がってきて、先輩がMCの時に前に出てきた。
あっ!今一瞬目があった!
と思ったのも束の間、
「「「直人~♡」」」
3年生の女子たちの叫び声に直人先輩を持っていかれ、呆気なくスーパーキュンキュンタイム終了。
それに加えて3年女子たちの叫び声にこたえて、直人先輩が女子の中の一人の手をとって握っていたのだから!!
私はその場にいられなくなって、体育館を飛び出した。
(所詮後輩だったんだ)
そう思い、重い気持ちで体育館の裏の階段に腰を下ろした。
「はぁ」
こんなにちょっとしたことで先輩に振り回されて、私いつからこんなに好きになってたんだろう。