• テキストサイズ

恋愛物語超短編集

第4章 片思い




そして待ちに待った“来週末”がきた。


近くの大きな公園でブルーシートが敷かれていた。

次々と集まってくる近所の方たち。




そして最後に来たのは玲斗くん家族だった。






あの若い男の人が………

(玲斗くん?)






すっかり大人になって、かっこよくなってた。


でも、その左手薬指にはきらきら輝く輪っかが見えた。





「え……」



しかも、なんで私に気づいてないの?変わっちゃったからわからないの?歳でわかるでしょ。なんで。




もういいや、




私から行ってやる!!







私はトイレから出てきた玲斗くんの目の前にどんと構えた。






「えっと………あの…」

「気付けバカ。」

「……?」

「玲斗くんのバカ!!」



「あっ!?えっ!?嘘、咲羅!?」

「気付くの遅い。」

「ごめん、すっかり大人になっちゃってわからなかったよ!」

「言い訳。」

「綺麗になったね。お兄ちゃんいなくて寂しかった?」

そう言うと私の頭をポンポンと撫でた。



「もう子供じゃないし……。」


「高校……3年生?本当に時って早いんだなぁ。」




少し私は黙ってから、心から思ってもない言葉を発する。

「結婚したんだねおめでとう。」

玲斗くんは、左手の輪っかを見て、

「ああ、ありがとう。高校生の時から付き合ってた子がいて、その子とね。」



あああ!!あの噂の彼女かあああ!!


くそ。無駄に悔しい。このやろう。



「ふーん。お腹すいたからあっち戻る。」


「変わらないな~咲羅、大人になったねって言ったけど前言撤回、まだまだ子供だね。」

そう言って笑った。


「うるさいっ」


私は速歩きでスタスタとみんなのところへ向かった。





/ 81ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp