第4章 片思い
そしてさらに年月を経て、私は高校3年生。
さすがに“玲斗くんと結婚する”という根拠もない将来の夢は人前では言わなくなったが、思いを寄せてることに変わりはなかった。
お陰さまでわたくし大城咲羅、彼氏いない歴18年。
自慢ではないが、顔はそこそこ良いため、高校生になってから何人かに告白はされたが、「好きな人いるから。」ですべてお断り。
玲斗くんは今24歳。もう立派な大人だ。
そんなとき、お母さんから耳寄りな情報を入手した。
「咲羅、来週末にこの通りの人たちでお花見するんだけど一緒に来る?」
「え、みんな大人じゃん。行かない。」
「なんか、玲斗くんの家族がこっちに戻ってきてるみたいで、そのお帰りパーティーも含めてやるんだけど……」
「行く!!!」
単純だ…私ってすごく単純だ。
でももうそんなのどうでも良い。
玲斗くんに会える。
どんな服着ていこう
メイクも少しはしよう
顔変わっちゃっててわかんなかったらどうしよう
来週末が待ち遠しくてしょうがなかった
玲斗くんに会えるまであと10日…
玲斗くんに会えるまであと9日…
毎日数えた。