第3章 合宿
今日一日の振り返りの合奏が終わって、先輩方が次々と風呂に向かった。
1年は、合奏の前に入らせてくれるから楽だ。
(先輩まだかな……)
その時部屋の扉が開いた。
「ごめん!!待ったよね!!やろうやろう!!」
と言って扉をバタンと閉めた。
(あ、閉めちゃうんだ。本当に無防備。)
風呂からあがってそのままダッシュできたのか、濡れた髪、火照った頬、裸足、そして少し息を切らし、ハアハア言ってていた。
(え………やば、エロい。)
これじゃ話し合いどころじゃねえわ。
「よっしゃ、やるか!!」
そう言って先輩は楽譜とペンをもって四つん這いでこっちに近づいてくる。
チラチラ見えそうになる胸元が気になる…
(これ完全に誘ってるって。)
俺は耐えられずに、
「あっ、咲羅先輩、お風呂上がりに水とか飲みますか?俺、買ってきますね!」
「ああ、ありがとう!」
俺は自動販売機で水を2つ買った。
ふう。どうにか耐えきれた。
そう思った。