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恋愛物語超短編集

第2章 期間限定同棲体験



*Saturday*


同棲し始めてから初めての休日…

なにすればいいの……



朝ご飯は、睡魔に勝てず簡単にホットサンドでちゃちゃっと済ませた。



「映画でも見に行く?」

そう言い出したのは龍星だった。


「見たい!」



なんかカップルみたいなこと…まあいいか!!
私たちは幼馴染みなんだ!!何がおかしい!!



どういう思考回路を辿ってか開き直った私は着替え終えてメイクを始める。


「咲羅ってメイクするんだ」

「出掛けるときはさすがにするよ!」

「ふーん」


きっと5秒ぐらいガン見された。



なに、なんなの、私の顔がそんなに
「…変?」


「可愛い」






はっ!?不意打ち!!反則!それは反則ー!!!!



龍星も言うつもりもないことを口走ってしまったみたいで、
「はっ、早くしろよ!!」


と照れ隠し。




少し甘酸っぱい雰囲気の中、映画を満喫した。






「たまには外食でもするか。いつも咲羅に作らせてばっかりだしな。今日の晩飯は俺の奢り。」


「ええ、申し訳ないよ。」


「幼馴染みに遠慮すんなよ。」




ああ、幼馴染みなのか。
そう思うと少し物足りない気分になった私自身に驚いた。







結局家に帰ったのは10時を過ぎた頃だった。




「ちょっと遅くなりすぎちゃったな、先風呂入っちゃって。」


「はーい」



私が出るとすぐに龍星が入る。


最近はだいぶ一緒のお風呂を使うことに抵抗がなくなっていた。





「俺の部屋着知らない?」


「ぎゃあああああああ!!」



「ん?」




「は、はだ…裸っ!」



「上半身だろ。」



「そ、その状態で目の前に現れないでよ!」


「あ、咲羅、男の裸見るの初めてなんだ…」

「っ………」

「ふーん」

そう呟いたのを合図に、龍星は私に近づいてくる。




え、いや………

「ま、まっ、待って!龍星っ」



肌が触れそうな距離になったところで、私に覆い被さるようにして私の背後めがけて手を伸ばした





「部屋着発見。」



「はやくどいて……」

「お前が部屋着隠してたのがいけないんだろ…?」


「隠してない!」




その日の夜も背中を向けて眠りについた。
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