第2章 期間限定同棲体験
*Wednesday*
朝起きると、意外にも龍星は早起きだった。
「あ、咲羅起きたね、おはよう。」
そう言われると寝起きの顔を見られたくなくて布団に潜った。
「え、なに、寒い?ごめん、ストーブつけたばっかなんだ…」と言って龍星は布団をめくった。
(わっ、やばい)
「咲羅、顔赤いけど、照れてるの?」
「バカっ!!あっち行って!!」
私は龍星を蹴り飛ばした。
「怒ってるの?」
「怒ってる。」
「ごめん、咲羅、許して。」
「寝起きの女の子の顔を見るなんて…」
当校中の会話はずっとこれだった。
実は照れ隠しだけど、バレてないはず。
帰りになると、龍星はバイトに向かった。
私はスーパーに寄って今日のご飯を考えていた。
(たしか龍星オムライス好きだよね、それとあとは新メニューでも作ってみようかな。)
龍星がバイトから帰ってくる時間に合わせて作り始め、作り終わった頃にはもう10時になっていた。
ガチャ
ドアの音が聞こえた。私は反射的に玄関へと走った。
「ただいま。あれ、いい匂い。もしかしてメシ作って待っててくれた?」
「うん、今日は龍星の大好物。早く食べよう!」
食卓について、一緒にご飯を食べると、楽しく笑いあって、今朝のもめ事なんてどうでもよくなった。
「じゃあ、先にお風呂入るね。」
私はお風呂で疲れを洗い流した。
「ふぅ…」
湯船に浸かって一息ついたときだった。
「咲羅!早くして!」
お風呂場のドア越しに龍星が叫んだ
「ぎゃあああっ!!」
「星!綺麗だから俺も風呂ささっと入って一緒に見ようぜ!」
「驚かせないでよ…」
「でも咲羅、星好きだろ?」
「うん、私も見たい。」
「よし決定な!じゃあ、服いっぱい着て、暖かくして、それから…」
「あの、わかったから…………………
そこどいて…………?」
「わっ、ごめんっ、今出るから!!!」
ガチャン
今の龍星、焦ってたよね。
私もちょっと龍星のこと動揺させられたかも。
とちょっと嬉しかった。