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恋愛物語超短編集

第2章 期間限定同棲体験



*Tuesday*


親には、友達の家で1週間、専門学校の寮体験をすると言ってどうにか納得してもらい、大荷物で龍星と、龍星の家に帰る。


「咲羅、だいぶ重そうだね」

「持ってよ。」

「え?なんで俺が」

「1週間面倒見てあげるんだからこんくらいはやってよね!!」

「はいはい、お持ちいたしますよー。」






まったく、気が利かない男だ。



家につくと、早速家事の役割分担を決める。




役割が決まると、次は部屋の案内。


寝る場所に困ったときに、リビングでいいよ全然と言うと龍星は



「ダメだろさすがに。女の子一人でリビングに寝かせられねえよ。それにしても親の部屋は使えねえしな…」



そういうことさらっと言うな、照れる。







「しょうがない、リビングで一緒に寝るか。」






「へっ!?」

一緒に!?と驚いていると





「なに、それとも俺の部屋のベッドで添い寝がいいの?」


といたずらっぽく笑った。







「い、い、い、いい、です!リビングで!!」

照れ隠しのつもりが照れを大公開してしまったようだ。



「よし、そうと決まったら早速夜ご飯食べようか、よろしくね」

と言って私の頭にぽんと手を置いた。






くっそ、こいつは私の何枚も上をいってる。



私は台所に立った。









「え、すっごいいい匂いしてきた……」


と台所に走ってくる龍星を見て、
「ダメ、後でのお楽しみ!!」

と言うと、龍星は「はーい」と呟いてテレビをつけた。






ご飯ができると、二人でテーブルにつく。


(同棲ってこんな感じなのか。)




私の手料理しかもフルコースを人に振る舞うのは初めてだ。龍星の反応は……




「旨い…やっぱり咲羅の手料理最高だな!!これから1週間こんな旨いもん食べられるのか…幸せだな。」



そう言われるとやっぱり嬉しくて、今まで龍星に腹が立っていたことすらもさっぱり忘れてしまうほどだった。


そして問題の夜は、二人とも背中を向けて寝て、同棲1日目は終わったのだった。

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